関門海峡を渡る、
新たな道へ。

彦島と北九州を結ぶ、下関北九州道路。
8kmの新ルート計画をご紹介します。

AIによる完成イメージ(実際の設計とは異なる場合があります)

まず、ここだけ

下関北九州道路、3つの要点

計画の全体像を先に。気になる項目は、上のナビゲーションから詳しく確認できます。

構想ビジュアライザーで位置関係を見る
  1. 彦島と北九州を約8kmで結ぶ

    彦島迫町付近から小倉北区西港町までを、4車線の自動車専用道路でつなぐ計画です。

  2. 関門海峡の「第3のルート」

    関門橋・関門トンネルを補い、災害や補修時にも人流・物流を保つ役割が期待されています。

  3. 都市計画決定後、事業化を検討中

    2025年12月23日に都市計画決定。2026年は国が事業手法などを検討しています。

計画の概要

下関北九州道路は、下関市彦島と北九州市小倉北区西港町を結ぶ、約8kmの自動車専用道路として計画されています。

山口県側は約3.9km、北九州市側は約4.1km。4車線・設計速度80km/h・標準幅員約19.5〜20.5mで設計され、海峡を渡る部分にはつり橋構造の橋梁が想定されています。

約8km全体延長
4車線車線数
80km/h設計速度
自動車専用道路道路の種類
つり橋構造海峡部
都市高速2号線北九州側の接続

なぜ新しい道路が必要なのか

現在、本州と九州を道路で結ぶ主なルートは、関門橋と関門トンネルです。

この二つのルートは、地域住民の日常生活だけでなく、本州と九州を行き来する人や物資を支える重要な交通インフラです。

一方で、事故や補修工事、悪天候、自然災害などによって通行が制限された場合、残されたルートに車が集中し、関門地域の広い範囲で渋滞が発生する可能性があります。

実際に2022年9月の台風14号では、関門橋が通行止めとなり、関門トンネルとその周辺道路に交通が集中しました。また、関門橋と関門トンネルを利用する交通需要の約8割は広域交通であり、通行止めが発生すると1日当たり約7万台の交通に影響する可能性があるとされています。

下関北九州道路には、普段の移動を便利にするだけでなく、既存ルートに問題が発生した際の代替路として、道路ネットワーク全体を強くする役割が期待されています。

下関北九州道路の予定ルート

下関北九州道路は、彦島迫町付近から南風泊港IC周辺を通り、関門海峡を越えて北九州市小倉北区西港町へ接続する計画です。

現在の計画では、次のインターチェンジとジャンクションが予定されています。

彦島
迫町IC
南風泊港IC
西港町IC
西港町JCT
北九州市
各インターチェンジの詳細を見る

彦島側

仮称・迫町インターチェンジ

彦島大橋や旧彦島有料道路方面との接続機能を持つインターチェンジです。彦島から下関市街地方面への交通とのつながりが考慮されています。

仮称・南風泊港インターチェンジ

南風泊港周辺や下関市街地から、北九州方面へ向かうためのインターチェンジです。地域の産業・物流拠点からのアクセス向上も期待されます。

北九州側

仮称・西港町インターチェンジ

北九州市小倉北区西港町の一般道路から、下関北九州道路へ出入りするためのインターチェンジです。

仮称・西港町ジャンクション

下関北九州道路と北九州都市高速道路2号線を接続します。北九州市内だけでなく、九州自動車道や周辺地域への広域的な移動にもつながる重要な接続部分です。

なお、それぞれのインターチェンジは、すべての方向へ自由に出入りできるものではなく、利用できる進行方向を限定した「ハーフインターチェンジ」として計画されています。

測量や詳細設計、関係機関との調整によって、今後、計画の細部が変更される可能性があります。

期待される効果

地域経済を支える効果

下関北九州道路がもたらすのは、渋滞の解消だけではありません。関門橋・関門トンネルに次ぐ「第3のルート」が加わることで、下関市と北九州市が一体の経済圏として機能する「循環型ネットワーク」が生まれます。

整備が実現すると、下関市と北九州市の都心部を結ぶ所要時間は、現在の約30分から約20分に短縮される見込みです。移動時間の短縮は、通勤・通学、企業間の取引、物流のスピードなど、暮らしと経済のあらゆる場面に効果をもたらします。

約30分→約20分都心間の所要時間
約2,900億円〜約3,500億円概算事業費(4車線)
約8割既存2ルートの広域交通割合

関門橋・関門トンネルを利用する交通の約8割は、本州と九州を行き来する広域交通が占めています。第3のルートが加わることで、事故や災害により一つのルートが通行できない場合にも、交通や物流を維持しやすくなります。地域経済の継続性を高める効果が期待されます。

日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)など経済団体からも、早期事業化を求める提言が出されており、産業界からの期待も高まっています。正式な費用便益比(B/C)は、国による事業化の検討とあわせて、今後公表される見通しです。

関門海峡をつないできた歴史を見る
かつて国際貿易港として栄えた明治・大正期の港町を思わせるイメージ
AIによる歴史イメージです。実在の写真ではありません。

関門海峡がつないできた歴史

「関門」という名前は、下関(かつての馬関)の「関」と、門司の「門」を組み合わせたものです。約6,000年前に本州と九州が分かれてできた関門海峡は、日本海と瀬戸内海を結ぶ交通の要衝として、古くから数々の歴史の舞台となってきました。

明治22年(1889年)、門司は特別輸出港に指定され、大陸貿易の拠点として発展しました。関門海峡を越えようとする挑戦も、一世紀近く続いてきました。

  1. 1関門鉄道トンネル開通(昭和17年/1942年)

    世界初とされる海底鉄道トンネルとして貨物営業を開始。本州と九州を地下でつなぐ、最初の挑戦でした。

  2. 2関門国道トンネル開通(昭和33年/1958年)

    計画から約20年、世界初とされる海底道路トンネルが完成。上段は自動車道、下段は人道という二重構造で、歩いて海峡を渡れる道になりました。

  3. 3関門橋開通(昭和48年/1973年)

    全長1,068m、当時東洋最長のつり橋として開通。関門トンネルに続く2本目の道路ルートが誕生しました。

  4. 4下関北九州道路 都市計画決定(令和7年/2025年)

    関門橋・関門トンネルに次ぐ第3のルートへ。海峡を越える挑戦の、新たな一章が始まっています。

下関北九州道路は、この長い歴史の延長線上にある新しい「橋」です。経済・防災・観光の可能性を加える一歩として、計画が進められています。

彦島との関わり

下関北九州道路の山口県側の起点は、彦島迫町六丁目に計画されています。

その後、南風泊港周辺を通り、彦島福浦町一丁目地先から関門海峡を渡るルートです。

彦島は、単に道路が通過する地域ではありません。道路の入口となり、下関市と北九州市をつなぐ新しい玄関口の一つになる可能性があります。

期待されるのは、彦島から北九州方面への移動が便利になることだけではありません。南風泊市場や地域企業へのアクセス、災害時の緊急輸送、観光客の周遊、地域外からの交流人口など、暮らし・産業・観光の幅広い分野に影響する可能性があります。

その一方で、インターチェンジ周辺の交通量、生活道路の安全、騒音や景観、地域が通過点にならないための取り組みなど、地域の立場から確認していくべき課題もあります。

下関北九州道路を「彦島を通る道路」で終わらせず、彦島の未来に生かす道路にすることが、これからのまちづくりにおいて重要です。

巌流島と彦島の関わりについて見る →
下関北九州道路の起点が計画されている彦島の海と港の風景
彦島の海と港の風景(現地写真)

計画は現在どこまで進んでいるのか

下関北九州道路は、2025年12月23日に都市計画決定の告示が行われ、環境影響評価書も公告されました。

都市計画上のルート、車線数、道路の構造、インターチェンジなどの基本的な位置づけが決まり、その後、国土交通省は「本州・九州連携小委員会」を設置しました。

委員会では、下関北九州道路を含む本州・九州間の道路ネットワークの役割、事業手法、効率的な整備・運用などについて議論が行われています。5月13日には第4回会合、7月16日には第5回会合が開かれ、NEXCO西日本と福岡北九州高速道路公社へのヒアリングが行われました。

国土交通省は、2026年夏ごろをめどに基本方針を取りまとめる方針を示しています。

下関北九州道路シンポジウムで行われたパネルディスカッションの会場
2025年4月25日、J:COM北九州芸術劇場で開催された下関北九州道路シンポジウムの記録

下関北九州道路の進捗タイムライン

  1. 完了構想・調査

    2000年頃から、関門海峡を渡る新たな道路として構想が提案され、必要性やルートに関する調査・検討が進められました。

  2. 完了ルート検討

    彦島から関門海峡を渡り、北九州市小倉北区西港町へ至るルートが検討され、都市計画の基礎となりました。

  3. 完了都市計画手続き

    都市計画決定の告示が行われ、環境影響評価書も公告されました。ルート・車線数・道路の構造などの基本的な位置づけが定まりました。

    出典:都市計画決定の告示・環境影響評価書(公表資料)
  4. 進行中事業化に向けた検討

    国土交通省の「本州・九州連携小委員会」では、事業手法や効率的な整備・運用方法などが検討されています。2026年3月2日の第1回会合以降、5月13日に第4回、7月16日に第5回会合が開かれ、NEXCO西日本と福岡北九州高速道路公社へのヒアリングが行われました。国は、2026年夏ごろをめどに基本方針を取りまとめる予定です。

    出典:本州・九州連携小委員会 会議資料(国土交通省)
  5. 未定詳細設計

    事業化が決定した後に、測量・地質調査・詳細設計・用地や関係施設との調整が行われる見込みです。現時点で着手時期は未定です。

  6. 未定工事

    詳細設計や関係手続きを経て着工します。現時点で着工時期は未定です。

  7. 未定開通

    工事完了後、供用が開始されます。現時点で開通時期は未定です。

情報基準日・最終更新日:

実現に向けて検討される課題

下関北九州道路には多くの効果が期待される一方、長大な橋を含む大規模な事業であるため、解決すべき課題もあります。

2020年時点では、事業費は約2,900億円〜約3,500億円と試算されていました。しかし、国土交通省は、近年の資材価格や人件費の上昇などにより、事業費が大幅に増える可能性を示しています。

建設費だけでなく、完成後の点検や補修など、長期間にわたる維持管理費も考える必要があります。

また、橋梁の建設による自然環境や海上交通への影響、インターチェンジ周辺の騒音・交通安全、地域の景観などについても、丁寧な検討が求められます。

費用や課題も含めて情報を公開し、地域住民の声を取り入れながら計画を進めていくことが大切です。

よくある質問

下関市彦島迫町付近から南風泊港周辺を通り、関門海峡を渡って北九州市小倉北区西港町へつながる、約8kmのルートです。

海峡を横断する部分は、つり橋構造の橋梁として計画されています。彦島側と北九州側には、陸上の道路やインターチェンジも整備される予定です。

2026年7月時点では、完成・開通時期は公表されていません。都市計画は決定しましたが、現在は事業手法や効率的な整備・運用について検討が進められています。

通行料金や具体的な運営方法は、現時点で最終決定されていません。今後、事業手法や費用負担などとあわせて検討されるものと考えられます。

彦島側には「仮称・迫町インターチェンジ」と「仮称・南風泊港インターチェンジ」が計画されています。ただし、利用できる方向が限定されたハーフインターチェンジとなる予定です。

関連資料・参考情報

本記事の情報は、山口県、北九州市、下関市、国土交通省の公表資料をもとに、2026年7月時点の内容として構成しています。計画内容や事業スケジュールは、今後の検討によって変更される場合があります。

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