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この記事の要点

先に、全体像をつかむ

彦島西山町にある南風泊市場は、昭和49年(1974年)開設の全国唯一のふぐ専門卸売市場です。「袋競り」という独特のせりや、地名の由来、ふぐ食解禁の歴史などをご紹介します。

  1. 南風泊市場とは

    南風泊市場は、下関市彦島西山町にある、国内で唯一のふぐ専門産地市場です。天然とらふぐをはじめ、日本で獲れる約20種類のふぐが集まり、取扱量は日本一を誇ります。

  2. 「南風泊」という地名の由来

    「南風泊」という珍しい地名は、江戸時代初期から明治時代にかけて活躍した廻船「北前船」に由来すると伝えられています。

  3. 下関とふぐ食文化、そして伊藤博文

    下関がふぐ食で全国に知られるようになった背景には、明治時代の大きな出来事があります。

南風泊市場とは⁠?日本一のふぐ取扱量を誇る彦島の卸売市場

夜明けの南風泊漁港に並ぶ漁船と水揚げされた水産物
南風泊市場の朝の水揚げ風景(イメージ)

彦島西山町に、全国でここにしかない、ふぐを専門に扱う卸売市場があります。「南風泊市場(はえどまりしじょう)」です。

「はえどまり」という読み方に、少し驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この珍しい読み方の地名には、彦島と関門海峡の歴史が刻まれています。

今回は、南風泊市場の歴史や特徴的な「袋競り」、地名の由来、そして下関のふぐ食文化との関わりについてご紹介します。

南風泊市場とは

南風泊市場は、下関市彦島西山町にある、国内で唯一のふぐ専門産地市場です。天然とらふぐをはじめ、日本で獲れる約20種類のふぐが集まり、取扱量は日本一を誇ります。

対馬周辺や瀬戸内海、豊後水道、伊勢湾などを主な漁場とする、はえ縄漁による天然ふぐに加え、九州や西日本各地で養殖されたふぐも、この市場に集まってきます。

市場が開設されたのは昭和49年(1974年)のことです。以来、半世紀にわたって、下関のふぐ文化を支える流通拠点としての役割を担ってきました。

「南風泊」という地名の由来

「南風泊」という珍しい地名は、江戸時代初期から明治時代にかけて活躍した廻船「北前船」に由来すると伝えられています。

北前船が関門海峡を通過する際、強い南風が吹くと、この地に停泊して風がおさまるのを待ったことから、「南風泊(南風=はえ、泊=とまり)」という地名が付いたとされています。

関門海峡という交通の要衝に位置する彦島ならではの、海とともに歩んできた歴史を感じさせる地名です。

下関とふぐ食文化、そして伊藤博文

下関がふぐ食で全国に知られるようになった背景には、明治時代の大きな出来事があります。

かつて日本では、河豚(ふぐ)の毒による中毒を避けるため、長らくふぐを食べることが禁じられていました。この状況を変えたのが、初代内閣総理大臣を務めた伊藤博文です。

明治21年(1888年)、下関を訪れた伊藤博文が、宿でふぐ料理を口にしたことがきっかけとなり、山口県はふぐ食を解禁しました。これが、全国に先駆けたふぐ食解禁の始まりとされています。

この歴史があったからこそ、下関はふぐの町として発展し、南風泊市場もふぐ流通の拠点として重要な役割を果たすようになりました。

独特なせり「袋競り」

南風泊市場の大きな特徴の一つが、「袋競り(ふくろぜり)」と呼ばれる、全国でも珍しいせりの方法です。

せり人と仲買人が、大きな布袋の中で互いの手を握り合い、指先の感覚だけで価格を伝え合います。周囲から金額が分からないようにすることで、公正な取引を行うための工夫とされています。

せりは、まだ夜も明けきらない午前3時台という早朝から始まります。市場に活気があふれるこの時間帯こそ、南風泊市場の一日の始まりです。

一般見学について

南風泊市場は、仲卸業者など専門の業者向けの卸売市場であるため、通常、一般の方が場内を見学することはできません。

ただし、毎年2月に開催される「ふくの日まつり」では、市場内でふく刺しなどの即売会が行われ、当日は一般の方も場内に入ることができます。南風泊市場の雰囲気を体感できる、貴重な機会です。

アクセス

所在地山口県下関市彦島西山町4-11-39
開設昭和49年(1974年)
一般見学原則不可(「ふくの日まつり」など一部イベント時を除く)

彦島の産業を支える市場として

南風泊市場は、単なる水産物の流通拠点ではありません。関門海峡の交通の歴史、ふぐ食解禁という日本の食文化史、そして早朝から続く職人技のせりまで、彦島の歴史と産業が凝縮された場所です。

彦島活性化推進協議会では、こうした地域に根づく産業や文化についても、これからご紹介していきます。

よくある質問

下関市彦島西山町にあります。全国で唯一、ふぐを専門に取り扱う卸売市場です。

江戸時代の廻船「北前船」が、関門海峡を通過する際に強い南風(はえ)が吹くと、この地に停泊(とまり)して風を待ったことに由来すると伝えられています。

業者専門の市場のため、通常は一般見学ができません。ただし、毎年2月の「ふくの日まつり」では、市場内に入ることができます。

せり人と仲買人が布袋の中で手を握り合い、指先の感覚だけで価格を伝え合う、全国でも珍しいせりの方法です。周囲に金額が分からない、公正な取引のための工夫とされています。

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